ブランドストーリーの書き方—事業の核を語る5ステップ

「うちには特別な物語なんてないんです」—初回ヒアリングでよくいただくお言葉です。ですが、TANTOMAが880社の現場で学んだのは、物語のない事業など存在しないということ。物語は作り込むものではなく、すでにあるものから「掘り出す」もの。今回は、TANTOMAが実際の制作現場で使っているブランドストーリー構築の5ステップを共有します。

ステップ1:創業の「不便さ」を掘り起こす

すべての事業は、誰かの「不便」「不満」「不安」に応えるところから始まっています。創業者が当時感じていた違和感、それは何でしたか?「業界の常識がおかしかった」「ある人を助けたかった」「自分自身がこんなサービスが欲しかった」—。この最初の動機を一文で言えると、ブランドの中心が見えてきます。

ステップ2:転機を3つ挙げる

事業の歴史の中で「これは大きかったな」と思う出来事を、創業以外で3つ挙げてみてください。リーマンショック、コロナ禍、ある社員との出会い、ある失敗、ある顧客からの一言—。物語は事実の連なりではなく、選び抜かれた転機の連なりです。3つに絞ると、ブランドの軸が浮かび上がります。

ステップ3:お客様の「変化」を描写する

あなたの事業を使う前と後で、お客様の何が変わるのか。これを具体的なシーンで描写します。「売上が上がった」ではなく「経営者が朝、まずSNSの問い合わせ通知を見るのが楽しみになった」のように。抽象を具体に落とす—この作業がブランドストーリーの「実感」を生みます。

ステップ4:「やらないこと」を宣言する

ブランドの個性は「やること」よりも「やらないこと」で決まります。価格競争には乗らない、特定の業界とは取引しない、納期を急かさない、過剰な顧客サービスはしない—。事業として意図的に拒否することを言語化すると、お客様にとって「なぜこの会社なのか」が明確になります。

ステップ5:未来の宣言で締めくくる

過去の物語だけでは、未来のお客様の心は動きません。「私たちはこれから、こんな世界を作りたい」という未来宣言を、過去の流れと自然に繋げて締めくくります。大袈裟である必要はなく、現実的な未来でいいのです。地に足のついた未来像こそが、長く愛されるブランドストーリーになります。

注意点:「盛らない」勇気

ブランドストーリーを書くとき、つい盛りたくなります。ですが、お客様も読み手も、すぐに気付きます。脚色は短期では効きますが、長期では裏切られたと感じる。事実だけを丁寧に並べて、そこに事業の哲学を一筋通す—これが王道です。

まとめ:物語は「掘り出す」もの

事業に物語がない会社はありません。ただ、まだ言語化されていないだけ。TANTOMAでは、お客様との対話から物語を一緒に掘り起こし、Webサイト・パンフレット・採用資料に通底するブランドストーリーへと仕上げていきます。

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